「調整額、10%になったんやって」で終わっていませんか
給特法が改正されて、教職調整額が段階的に10%まで引き上げられることになりました。職員室で「へー、上がるんやなあ」という会話を交わして、それで終わっていませんか。私自身、この手のニュースを見るたびに、正直「また数字の話か」と一歩引いてしまう自分がいます。もったいないと思うんです、ここで思考を止めてしまうのは。
私が現場にいた頃の「定額働かせ放題」
私は23年間、小学校の教員をしていました。当時から「定額働かせ放題」という言葉はよく耳にしていて、実際、何時間残業しても給料は変わらない働き方を、私自身も経験してきました。調整額が4%だった時代から、正直なところ「この数字が変わったところで、現場の忙しさそのものは変わらないんじゃないか」という感覚を、ずっと拭えずにいました。今回、10%まで上がるというニュースを聞いても、その感覚は正直あまり変わっていません。
数字が変われば意識も変わる道と、数字だけが変わる道
今回の改正には、教育委員会に働き方改革計画の公表を義務づけるという中身も含まれています。ここには二つの道があると、私は思っています。ひとつは、数字の見直しをきっかけに、管理職や教育委員会が本気で業務量そのものに向き合う道。もうひとつは、調整額だけが上がって、現場の業務量や残業の実態は今までどおり、という道です。20年、組合役員として交渉の場に立ってきた経験から言うと、放っておくと後者に流れやすいというのが、正直な実感です。制度が変わった「その先」を、誰かが見ていないといけません。
組合員としてできること
働き方改革計画が公表されるようになるということは、裏を返せば、その計画を読み込んで「これで本当に現場は変わるのか」と問い直せる材料が、私たちの手元に増えるということでもあります。数字の上がり下がりを追うだけでなく、公表された計画の中身を組合としてチェックし、現場の声とすり合わせていく。地味な作業ですが、ここをやるかやらないかで、「その先」の景色は変わってくるはずです。
一緒に「その先」を見ていきませんか
調整額が5%から10%になったこと自体は、間違いなく一歩前進です。でも、そこで拍手して終わりにしてしまったら、もったいない。数字の議論の「その先」に何があるのか、現場の実感とすり合わせながら、一緒に見ていきませんか。よろしくお願いします。

