2026年2月に報じられたニュース(Yahoo!ニュース掲載/TBS NEWS DIG配信)では、沖縄県教職員組合が実施したアンケート結果として、中学校の部活動顧問について「希望しない」という選択肢がなかったと回答した教職員が約81%に上ったこと、さらに顧問の約4割が月80時間を超える時間外労働、いわゆる“過労死ライン”を超えていることが伝えられました。

(出典:Yahoo!ニュース/TBS NEWS DIG配信記事「中学部活動の顧問“事実上強制”の実態浮き彫りに」2026年2月)
この報道が示しているのは、単なる「忙しさ」ではありません。
制度上は改善が進んでいるはずの領域で、現場の実態が追いついていないという構造的な問題です。
制度は動いている。しかし現場は変わりきっていない
文部科学省は2019年、部活動を「必ずしも教師が担う必要がない業務」と整理し、業務の適正化を求める通知を出しています。さらに近年は、地域クラブへの移行など、部活動の「地域展開」が進められています。
例えば、神戸市が進める「KOBE◆KATSU」などの取り組みは、学校部活動の地域移行を具体化するモデルの一つです。
制度設計の方向性は、明らかに「学校がすべてを抱え込まない」方向へ舵を切っています。

にもかかわらず、希望制が徹底されず、時間外労働が慢性化している学校が存在する。
このギャップこそ、いま教職員組合が向き合うべきテーマです。
現場で起きていることは「個人の問題」ではない
部活動を断れない。
希望調査が形式的にしか機能していない。
断れば人間関係に影響が出るのではないかという空気。
こうした状況は、個々の教職員の「頑張り」や「覚悟」で解決するものではありません。
構造の問題です。
そして構造の問題は、個人戦では変わりません。
ここに、組合の存在意義があります。
教職員組合はどう捉えるべきか
今回のような調査は、組合だからこそ実施できるものです。
現場の声を集め、数値化し、社会に提示する。
しかし、もう一歩踏み込む必要があります。
- 調査結果をどれだけ可視化できているか
- 組合員以外の教職員にも届いているか
- 保護者や地域社会にも理解されているか
調査を「内部資料」で終わらせるのか。
それとも、社会的議論を動かす材料にするのか。
この差は、発信力の差です。
ウェブ発信は、組織強化のための“武器”になる
いま、多くの若手教員は情報をSNSや検索から得ています。
組合の機関紙を読む前に、まずGoogleで検索する。
・「部活 顧問 断れない」
・「中学校 残業 何時間」
・「教員 働き方 改善 組合」
こうしたキーワードで検索したとき、
そこに組合の声が見えるかどうか。
ウェブサイトが単なる活動報告の場ではなく、
- 現場課題の解説
- 制度改正の分かりやすい整理
- 相談窓口の明確化
- 加入によるメリットの提示
まで設計されていれば、それは組織拡大の導線になります。
思想と発信はつながっている
教職員組合が大切にしてきた価値は何でしょうか。
- 子どもたちの教育条件を守ること
- 教職員の労働条件を改善すること
- 教育の公共性を守ること
これらはすべて「声を上げること」から始まっています。
ウェブは、その延長線上にある道具です。
声を届ける。
構造を可視化する。
共感を広げる。
紙媒体や対面活動を否定するものではありません。
しかし、いまの時代においてウェブ発信を持たないことは、
議論のテーブルに着いていないことと同じです。
これからの組合は「交渉」と「発信」の両輪で
部活動の地域展開は進むでしょう。
教員の働き方改革も、制度上は前進していきます。
しかし、その制度が現場で実効性を持つかどうかは、
声が可視化され続けるかどうかにかかっています。
- データを集める力
- 交渉する力
- そして、社会に伝える力
その三つを備えた組合が、これから選ばれる組合です。
私は、教職員組合の理念と親和性の高い立場から、
ウェブを通じて「伝える力」を設計するお手伝いをしています。
組織拡大は、勧誘だけで起こるものではありません。
信頼の積み重ねが、結果として加入につながる。
そのための情報戦略を、一緒に考えてみませんか。

