教育現場の働き方について、気になる調査結果が報じられました。
教育新聞の報道によると、日本教職員組合(日教組)青年部が実施した調査で、若手教職員の6割以上が「現在の働き方を定年まで続けることは不可能だと思う」と回答しました。
「現在の働き方を定年まで続けることは不可能だと思う」
(教育新聞「なぜ若手教職員が『定年まで働けない』 カギは『業務3分類の徹底』」山田博史)
調査では、時間外勤務は2017年の平均68.4時間から46.3時間へと減少しています。
しかしそれでも、働き続けられないと感じている若手は減っていません。
なぜなのでしょうか。
この記事では、その背景と、教職員組合にとっての意味を考えてみたいと思います。
時間は減っても「仕事の重さ」は減っていない
今回の記事で注目すべきなのは、単純な長時間労働の問題ではないという点です。
時間外勤務は減っています。
しかし若手教職員の負担感は変わっていません。
その理由として指摘されているのが、業務の内容です。
調査では、若手教職員から次のような声が寄せられています。
- 授業準備や教材研究の時間が取れない
- 教員でなくてもできる業務に追われている
- 学校外の事情による仕事が増えている
例えば記事では、次のような実態が紹介されています。
- クマ出没による下校見守り
- 通学路の除雪
- 給食費や教材費の徴収
- 校内のワックスがけ
どれも「子どもや学校のため」に必要な仕事です。
しかし、教員の専門性とは直接関係しない業務でもあります。
本来、授業準備や教材研究こそが教員の専門的な仕事です。
しかし現場では、その時間が削られている。
ここに、若手が将来に希望を持てない構造があります。
「業務3分類」は現場で実行されているのか
この問題のキーワードとして挙げられているのが、
文部科学省が示している「学校・教師の業務3分類」です。
簡単に言えば、
- 教師が担うべき業務
- 学校が担うが教師以外も関われる業務
- 学校以外が担うべき業務
このように仕事を整理し、教員の業務を減らすという考え方です。
しかし現場では、
「分類はあるが実行されていない」という声が多く聞かれます。
つまり、
制度はある
しかし現場は変わっていない
このギャップが、若手教職員の疲弊につながっています。
この問題をどう受け止めるべきか
この調査は、教職員組合にとっても重要なメッセージを含んでいます。
それは、若手の不安や孤立が深まっている可能性です。
記事の中でも、青年部は次のように指摘しています。
- 教職員同士が相談できる関係づくり
- 若手と中堅の対話
- 職場での支え合い
こうした取り組みは、まさに組合が得意としてきた分野です。
教職員組合はこれまで、
- 労働条件の改善
- 教育政策への提言
- 職場での支え合い
を通じて、教育現場を支えてきました。
今回の調査も、まさにその延長線にあるものです。
もう一つの課題 ――「声が届く場所」
ただ、ここで考えたいことがあります。
それは、
こうした調査や提言がどこまで現場の教職員に届いているのか
という問題です。
調査は重要です。
政策提言も重要です。
しかし、現場の若手教職員の多くは
- 組合の活動をよく知らない
- 情報に触れる機会が少ない
- 相談できる場所を知らない
という状況にあります。
これは、組合活動の価値がないのではありません。
むしろ逆です。
価値がある活動ほど、きちんと伝わる仕組みが必要です。
組合の活動を「見える化」する
ここで重要になるのが、情報発信の力です。
例えば、
- 調査結果をわかりやすく解説する
- 現場の声を紹介する
- 組合の取り組みを発信する
- 若手の悩みを共有する
こうした情報が、継続的に発信されていれば、
- 若手教職員が組合を知る
- 相談のきっかけになる
- 仲間がいると感じられる
という効果が生まれます。
そしてこれは、
組織拡大にもつながる重要な要素です。
実際、現在は多くの教職員が、
- Google検索
- SNS
- LINE
- ウェブサイト
などを通じて情報を得ています。
つまり、
組合の活動がウェブ上に存在しているかどうかは、
これからの組織づくりに直結する問題なのです。
若手が「続けられる仕事」にするために
今回の調査結果は、
教育現場の厳しさを改めて示すものでした。
しかし同時に、
- 業務の整理
- 人員配置
- 職場の支え合い
など、改善の方向も見えています。
その中で、教職員組合には大きな役割があります。
そしてもう一つ。
これからの組合活動では、
「活動すること」と同じくらい
「伝えること」も重要になっています。
現場の声を社会に伝えること。
若手に組合の存在を知ってもらうこと。
困ったときに相談できる場所を示すこと。
そのための手段として、
ウェブを活用した情報発信は、
これからますます重要になっていくでしょう。
教育を守るために。
そして、教職員が安心して働き続けられる職場をつくるために。
組合の活動と、その発信のあり方が、
いま改めて問われています。

